1980年代に入り、引越し専門の運送会社が多く設立されると、 今まで身内や友人の助け合い作業だった引越しが一気に引越し運送会社へとシフトして行きました。
引越し会社の急拡大に伴い、繁忙期の人手不足が顕著になりやがてパート、アルバイトが作業の一部を担う事になります。
ここで問題になったのがタンスパッドと呼ばれる道具です。
関西では、タンスを包むだけでなく吊り上げができるタンスパッドが、
関東ではタンスの背面以外を覆う事の出来るタンスパッドが
引越し会社によって考案され普及していました。(関東では今現在でもタンスパッドを使っている業者も多数います。)
ただ、タンスパッドには熟練の技と馴れるまでに時間が掛かるものが多く、パートやアルバイトには不向きでした。
そこに登場したのが、「ジャバラ®」です。最初、日本通運の社員により発案されてできあがったと言われております。
ゴムを引っ張って荷物に被せるだけですのでアルバイトでも容易に使いこなせます。
これによってアルバイトでも引越し作業が簡単にできるようになり、引越し業の普及の後押しにもなっていったのです。
当初は、実用新案を取得したメーカーが独占的に作っていましたが、1989年に入りヤマト運輸が新たな特許を取得し独自商品を開発してから
製造開発競争が各社ではじまりました。
実用新案自体は1993年には切れておりますが今だ特許商品と称して販売している会社もあります。
「黄ジャバ」「赤ジャバ」「青ジャバ」というのは、縁(ヘム)の色によってサイズが異なるのを利用した簡易的な呼び名です。
「黄ジャバ」が大サイズ(タンスなどの大型商品の梱包用)、
「赤ジャバ」が中サイズ(冷蔵庫や整理ダンスなどの梱包用)、
「青ジャバ」が小サイズとなります。
引越し業界で「ジャバラ®」を知らないものはおりません。
現在では、日本製の「ジャバラ®」の類似品を中国から輸入し販売している業者も多数見受けられます。
ただ、中には、ゴムがすぐに伸びてしまうものがあるという話も聞きます。