約40年程前、木製家具の運搬の為、使い捨てでない、繰り返し使用できるフレキシブルな緩衝材がないかという事で当時、アメリカから入ってきた最新鋭の機械によってキルティング素材の「あて布団」が誕生しました。
家具産地の九州大川、広島府中、北海道旭川、物流拠点である東京、大阪、名古屋と「あて布団」を製造するメーカーが設立され、国内トラック流通の活性と共に、日本中に「あて布団」が普及していったのです。
中綿は、緩衝力のある再生綿が使われました。化繊綿(ポリエステル綿)では緩衝力が足りませんでした。
1990年代に入り、「あて布団」の中綿を化繊綿(ポリエステル綿)にして、軽くした商品が出始めました。
これは、再生綿の製造ラインを持たないメーカーが自社で簡単に作れないかと考えて、化繊の「あて布団」を作り始めたのが最初です。
化繊綿の「あて布団」は軽くて良いのですが、緩衝力の点で今までの「あて布団」の様に使う事ができませんでした。
ただ、当時勃興し始めた引越業者には、多少なりとも普及していったのです。
引越しは基本的に中古品を運ぶため緩衝力をそれほど必要としなかったためです。
今現在では、家具・家電の配送業者や、ピアノや金庫、コピー機などの重量物運搬は昔ながらの「あて布団」が使われ、逆に引越業者の半分程は化繊の「あて布団」を使っております。ホームセンターで売られているものも化繊のものが大半です。
再生綿の「あて布団」を製造しているメーカーは関東で1社、中部で2社、関西で1社、中国地方で1社のみ。
弊社を除きその多くは家族経営で運営されております。
化繊(ポリエステル綿)の「あて布団」を製造しているメーカーは関東で3社、中部で1社、中国地方で1社。
やはり、弊社を除きその多くは家族での経営が主体となっています。